いい人ぶって、ヘトヘト

いい人ぶって、ヘトヘト

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EQ感情知能で解説

初対面の「あれ?」を打ち消してしまう、いい人な私たちへ

初対面で、胸の奥にちいさく「チクッ」とした違和感を感じたこと、ありませんか。

そして次の瞬間、こう自分に言い聞かせる。
「いやいや、決めつけちゃダメ」「第一印象で人を判断したくない」——。

真面目で、いい人でありたい人ほど、ついやってしまう癖。
このシーンを描いていて、私自身もすごく身に覚えがあったんですよね。

【シーン1】新しい同僚との初対面、胸の奥のチクッ

シーン1

カナは、新しい同僚のメグミさんと初対面で挨拶を交わしました。
笑顔で「よろしくお願いします」と頭を下げる。

……そのとき、胸の奥に小さなチクッがよぎりました。
なんとなく、空気がふっと重く感じる。
うまく説明できない、でも確かに、そこにあった違和感。

これが「ちいドロ」です。
「なんでだろう、ちょっとざわっとした」——名前のつけにくい、初対面の小さなドロドロなんですよね。

【シーン2】「決めつけちゃダメだよね」と、自分に言い聞かせる

シーン2

その瞬間、カナの頭の中で、おなじみの声が動き出します。

「いやいや、決めつけちゃダメだよね」
「第一印象で人を判断するのは、よくない」
「ちゃんと話してみないとわからないし」

笑顔で会話を続けながら、カナはあの「チクッ」を、そっと心の中に押し込めました。

そして3ヶ月後。
カナはメグミさんに振り回されて、すっかりヘトヘトになっていたんです。
そこで初めて、こうつぶやきます。
「最初の”あれ?”は、なんだったんだろう……」

真面目で、優しくありたいと思っている人ほど、こうやって違和感を打ち消す癖があるんですよね。
それはとっても素敵な気持ちから来ているんです。でもときどき、自分を疲弊させる方向に働いてしまう。
このシーン、描いていて胸が苦しくなりました。

【シーン3】「チクッ」は、決めつけじゃなくて、情報だった

シーン3

カナは3ヶ月前を思い出して、ふっと気づきます。

「あの最初のチクッ……あれが、情報だったんだ」

実は、人の体って、頭で考えるよりずっと早く、いろんなことを察知しているそうです。
心拍、呼吸、皮膚のちいさな反応、相手の表情や声のトーン——膨大な情報を、体が瞬時に処理して、「何か気になるよ」とサインを送ってくれている。

つまり「違和感」というのは、決めつけでも偏見でもなくて、体が先に気づいてくれていたサイン
否定すべきものじゃなくて、大切なものを教えてくれているお知らせなんです。

カナは、自分の中で違和感の呼び方を、こっそり変えてみました。

違和感 = 決めつけ / 偏見 / よくないもの
 ↓
違和感 = 体が先に気づいてくれた、大切な情報

これが「言葉の脳ダマ」です。
ある現象に対して長年貼ってきた意味づけそのものを、もう一度自分の言葉で書き直す技術なんですよね。

そしてもうひとつ、大切な気づき。
「決めつけちゃダメ」と打ち消してきたのは、「いい人でいるための最高の自己防衛」だったんです。
責めるようなことじゃない。長年カナを守ってきてくれた、大事なパターン。
ただ、今のカナには、ちょっと窮屈になってきていただけなんですよね。

脳って意外と単純で、貼られた言葉のとおりに感じてくれるんです。
「違和感=決めつけ」と思っていると、感じるたびに体がこわばる。
でも「違和感=体からのサイン」と思えると、すっと受け取れる体に変わっていく。

【シーン4】ノートに一文、スマホのメモに一行

シーン4

カナがその夜やった「ちいすぐ」は、ふたつの小さな書き込みでした。

ひとつめ。ノートを開いて、たった一文だけ書きます。

私は、自分のセンサーを大切にする人間

ふたつめ。スマホのメモアプリにも、一行だけ。

次に違和感を感じたら、まずここに残す。判断は、急がない

違和感を感じた瞬間に、相手をジャッジする必要はない。
ただ、「感じた」という事実を、ちゃんと自分のために残しておく。
判断は、後でゆっくりすればいい。

翌朝、職場でメグミさんとすれ違いました。
相手は何も変わっていません。状況も、何も解決していません。
でもカナの肩から、ふっと小さく力が抜けて、目を逸らさず、わずかに微笑むことができたんです。

これが「ちいすぐ」です。
ばかばかしいくらい小さく、でも今夜のうちに——たった2行のメモが、明日の自分の立ち方を、ちょっとだけ変えてくれたんですよね。

まとめ

初対面の「チクッ」は、決めつけじゃなくて、体が先に気づいてくれた情報。
「いい人」でいるための打ち消し癖は、長年あなたを守ってきた最高の自己防衛。
ノートに一文——「私は、自分のセンサーを大切にする人間」。それで、今夜は十分です。

違和感を感じた自分を、責めなくていい。
打ち消してきた自分も、責めなくていい。
ただ、「ちゃんと感じてた」という事実を、自分のためにそっと残す。
そんな小さな習慣が、3ヶ月後の自分を、ちょっと楽にしてくれる気がするんです。

【解説①】「ちいドロ→脳ダマ→ちいすぐ」の3ステップ

このエピソードで、カナは自然に3ステップを回していました。

🌧 ちいドロ(小さなドロドロを受け止める)

初対面で感じた、胸の奥のチクッ。
「なんとなく気になる、でもうまく説明できない」という、小さなドロドロ感情です。

ここで大事なのは、解決しようとせず「ある」と認めるだけ
「決めつけちゃダメ」とすぐに打ち消さなくていいんです。
ただ「ある」と受け止めるだけで、第一歩なんですよね。

🌀 脳ダマ(脳を優しく騙す技術)

カナが使ったのは「言葉の脳ダマ」
「違和感=決めつけ/よくないもの」という長年の意味づけを、「違和感=体が先に気づいてくれた大切な情報」と書き直す技術です。

脳って、貼られた言葉のとおりに感じてくれる、ちょっと単純なところがあるんです。
だから違和感の呼び方を書き直すだけで、自分のセンサーへの信頼が少しずつ戻ってくる。
脳と格闘するんじゃなく、優しく味方につける——それが脳ダマの面白さなんですよね。

🌱 ちいすぐ(小さく、すぐに動く)

言葉が切り替わったら、あとは小さく動くだけ。
カナの場合は「ノートに一文」「スマホのメモに一行」という、ささやかな書き込みでした。

すぐに距離を取らなくていい。相手を変えなくていい。1ミリでもいつもと違う行動を、今夜のうちに——それが「ちいすぐ」です。
続けなくていい、今夜2行書いただけで成功なんです。

【解説②】このエピソードに効いていたEQの力

シックスセカンズが提唱するEQ(感情知性)には、8つのコンピテンシー(感情特性)があります。

  • 【知る】感情リテラシー / 自己パターンの認識
  • 【選ぶ】結果を見据えた思考 / 感情のナビゲーション / 内発的モチベーション / 楽観性の発揮
  • 【活かす】共感力の活用 / ノーブルゴールの追求

今回のカナのお話には、特に3つのコンピテンシーが効いていました。

自己パターンの認識

「違和感を感じた瞬間に”決めつけちゃダメ”と打ち消す」——これは、カナが長年繰り返してきた、優しさから生まれたパターンです。
そのパターンに「いい人でいるための最高の自己防衛」と名前をつけられたから、責めずに気づくことができた。
気づくだけで、扱い方がずいぶん柔らかくなるんですよね。

結果を見据えた思考

「いま判断する」と「いったん残して、後で判断する」のあいだに、ちゃんと選択肢を作れたこと。
「次に違和感を感じたら、まずここに残す。判断は、急がない」——これは、3ヶ月後の自分が振り回されない選び方を、いま準備しておく行動なんですよね。
これが結果を見据えた思考——その先にある自分を守るために、いま行動を選び直す力なんです。

ノーブルゴールの追求

「私は、自分のセンサーを大切にする人間」——この一文は、日々の小さな判断を、自分の在り方とつなげる宣言です。
ひとつの違和感への対応にとどまらず、「これからの私は、こうありたい」という大きな方向性を、自分で言葉にする。
これがノーブルゴールの追求——自分を超えた大きな目的に向かう力なんです。

みなさんも、初対面で感じた小さな違和感を、「決めつけちゃダメ」と打ち消したあと、後悔した経験はありませんか?
もしよかったら、コメント欄で聞かせてくださいね。

今日のちいすぐ

次に誰かと会って「チクッ」を感じたら、打ち消す前に心の中で「体が何か教えてくれてるんだな」とつぶやいてみよう。判断しなくていい、ただ「情報だ」と受け取るだけでOK。

🧠 ワビタンのEQ解説

「自己パターンの認識」とは、自分がどんな場面でどんな反応をしやすいか、その癖に気づく力のこと。カナのように「いい人でいたい」という思いから違和感を打ち消すのも、実はひとつのパターン。このパターンに気づくと、自分を責めずに「あ、またやってるな」と味方目線で眺められるようになります。気づくだけで、次の選択肢が増えるんです。

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このエピソードの登場キャラクター

  1. カナと仲間たちのイラスト、感情日記のキャラクターが笑顔で描かれています。.
    カナ
    カナの家族
    共感力が高く、自分を後回しにしがちなワーキングマザー