並んでるのに、遠い

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EQ感情知能で解説

家族揃ってる休日なのに、なぜか肩が下りない私たちへ

「家族が揃ってる時間って、安心するはずですよね」
そう言われると、つい「うん」と返してしまう。

でも、本当のところは——なんで私だけ、肩がこんなに上がってるんだろう?

そんな小さな違和感、ありませんか。
このシーンを描いていて、私自身も「これ、誰にも言いづらいやつだな」と思ったんですよね。

【シーン1】夫の隣で動画を見ているのに、内容が入ってこない

シーン1

休日の昼下がり。
カナはマサキの隣で、一緒に動画を見ていました。
足元では、ハルトがブロックを組み立てている。

絵としては、絵に描いたような家族の休日

……なのに。
画面を一緒に見ているはずなのに、内容が頭に入ってこない。
胸の奥が、きゅっと縮む。

「笑顔、できてるかな、私……」
胸に小さな息苦しさが落ちる。
これが「ちいドロ」です。
「家族が揃ってる休日なのに、なぜか肩が下りない」——名前のつけにくい、矛盾した小さなドロドロなんですよね。

【シーン2】「私、おかしいのかな」と、自分を責める声

シーン2

そう感じている自分に気づいた瞬間、頭の中で別の声がしました。
「家族揃ってる休日に、こんな風に感じるなんて、私、おかしいのかな

これ、心理学では「すべき思考」と呼ばれる認知の歪みのひとつなんです。

  • 「休日は家族と一緒にいるべき」
  • 「夫の隣で安心するべき」
  • 「家族揃ってる時間は嬉しいべき」

そう思い込んでいると、感じている事実(息苦しい)と、思い込み(安心するべき)の間にズレが生まれて、そのズレに自分を責めてしまうんですよね。

そしてもうひとつ、面白い仕組みがあるんです。
人は、誰かがそばにいるだけで、その人の表情や呼吸、気配を無意識に読み取って、エネルギーを使っているそうです。
つまり「家族の隣にいる時間」は、実はとても情報処理が忙しい時間

だから、肩が上がるのは、あなたが冷たいからじゃない。
体が正直に「ちょっとペースを戻したい」と教えてくれているだけなんですよね。

【シーン3】「安心」って、本当はどういうことだろう?

シーン3

カナはふっと、自分の中の「安心」という言葉を見つめてみました。

「安心」って、本当に「近くにいて何も感じないこと」だっけ?
ちょっと言い換えてみたら、どうなるんだろう。

安心 = 近くにいて何も感じないこと
 ↓
安心 = 私のペースが、ちゃんと守られてること

これが「言葉の脳ダマ」です。
頭の中で当たり前にしていた言葉の定義そのものを、もう一度自分の言葉で書き直す技術なんですよね。

「近くにいて何も感じないこと」を安心と呼んでいると、感じてしまう自分=おかしい、になる。
でも「私のペースが守られてること」を安心と呼ぶと、ペースを守る行動=安心への一歩、になる。

脳って意外と単純で、貼られた言葉のとおりに感じてくれるんです。
だから言葉の定義を一度だけ書き直すと、自分への当たり方も、取れる行動もすっかり変わっていく。
脳と格闘するんじゃなく、優しく味方につける——それが脳ダマの面白さなんですよね。

わたしに戻る時間」の形は、人によって違っていい。
ソファで一緒に動画を見ることかもしれないし、一人で歩く5分かもしれない。
重なる時間も、重ならない時間も、両方あっていい。
重ならないのは、欠陥じゃなくて、ペースの違いだったんです。

【シーン4】「ちょっと近所まで散歩してくるね」

シーン4

カナがやった「ちいすぐ」は、たったひとつ。
マサキに、ぽつりとひとこと声をかけることでした。

「ちょっと近所まで、散歩してくるね」

サンダルをつっかけて、家を出る。
風の音、犬の散歩、遠くで聞こえる子どもの声。
ゆっくり5分だけ、家のまわりをぐるりと歩いてみる。

気づいたら、肩がふっと下がっていました。
帰ってきて、同じソファに座り直す。
完全な解決じゃない。何かが劇的に変わったわけでもない。

でも、「私のペース、ちょっとだけ守れた気がする」——その小さな実感が、ソファでの座り心地を、ほんの少しだけ変えてくれました。

これが「ちいすぐ」です。
ばかばかしいくらい小さく、でも今日のうちに——たった5分が、休日の質をちょっとだけ変えてくれるんですよね。

まとめ

家族と一緒にいるのに肩が下りない日は、「安心」の定義を書き直してみる。
近くにいて何も感じないこと、じゃなく、「私のペースが守られてること」と。
そして、「ちょっと散歩してくるね」と5分だけ外を歩いてみる。それで、十分です。

家族と過ごす時間に、肩が上がるのは冷たさじゃなかった。
ただ、自分のペースが、ちょっと忙しくなっていただけ。
完璧に重なれなくていい。ペースが違うのは、欠陥じゃなくて自然なこと。
そう思えると、家族の隣で過ごす時間が、もう少し優しく感じられる気がするんです。

【解説①】「ちいドロ→脳ダマ→ちいすぐ」の3ステップ

このエピソードで、カナは自然に3ステップを回していました。

🌧 ちいドロ(小さなドロドロを受け止める)

家族と一緒のソファで感じた、胸の息苦しさ。
「家族揃ってる休日にこんな風に感じる私、おかしいのかな」という、小さなドロドロ感情です。

ここで大事なのは、解決しようとせず「ある」と認めるだけ
「家族と一緒にいて安心できない私はダメ」なんてジャッジしなくていいんです。誰にでもありますから。

🌀 脳ダマ(脳を優しく騙す技術)

カナが使ったのは「言葉の脳ダマ」
「安心」という言葉の定義そのものを、「近くにいて何も感じないこと」から「私のペースが守られてること」と書き直す技術です。

脳って、貼られた言葉のとおりに感じてくれる、ちょっと単純なところがあるんです。
だから言葉の定義を一度書き直すだけで、自分への当たり方も、次の一歩も変わっていく。
脳と格闘するんじゃなく、優しく味方につける——それが脳ダマの面白さなんですよね。

🌱 ちいすぐ(小さく、すぐに動く)

言葉が切り替わったら、あとは小さく動くだけ。
カナの場合は「ちょっと近所まで散歩してくるね」と5分だけ家のまわりを歩く、というささやかな行動でした。

休日プランを全部見直さなくていい。家族との距離感を変えなくていい。1ミリでもいつもと違う行動を、今日のうちに——それが「ちいすぐ」です。
続けなくていい、今日5分歩いただけで成功なんです。

【解説②】このエピソードに効いていたEQの力

シックスセカンズが提唱するEQ(感情知性)には、8つのコンピテンシー(感情特性)があります。

  • 【知る】感情リテラシー / 自己パターンの認識
  • 【選ぶ】結果を見据えた思考 / 感情のナビゲーション / 内発的モチベーション / 楽観性の発揮
  • 【活かす】共感力の活用 / ノーブルゴールの追求

今回のカナのお話には、特に3つのコンピテンシーが効いていました。

内発的モチベーション

「休日は家族と一緒にいるべき」という外向きの基準ではなく、「私には今、ペースを戻す時間が必要なんだ」という自分の内側の声で動けたこと。
他人の物差しではなく、自分の価値観で休日の過ごし方を選び直す。
これが内発的モチベーション——自分の内側の価値観から動く力なんです。

自己パターンの認識

「家族が揃ってる時間ほど、なぜか肩が上がってしまう」——これは、カナが繰り返してきたパターンです。
そのパターンに気づけたから、「私の性格の問題じゃなくて、ペースの違いなんだ」と少し距離を取って見られた。
気づくだけで、自分への当たり方がずいぶん柔らかくなるんですよね。

感情のナビゲーション

息苦しさを「ないこと」にせず、かといって家族から逃げ出すでもない。
「安心」の言葉を書き直して、「散歩してくるね」という小さな行動に変換する——感情を抑え込まず、行きたい方向へ静かに舵を切る。
これがナビゲーションの力なんです。

みなさんも、家族と一緒の休日なのに、なぜか肩が下りなかった経験はありませんか?
もしよかったら、コメント欄で聞かせてくださいね。

今日のちいすぐ

今モヤッとしている気持ちに関係する言葉をひとつ選んで、「私にとっての〇〇とは?」と自分の言葉で書き直してみよう。ノートに1行書くだけでOK。

🧠 ワビタンのEQ解説

感情リテラシーとは、自分の中に湧いている感情を正確に認識し、それに名前をつける力のことです。「息苦しい」「肩が上がる」といった体のサインから感情を読み取り、さらにその感情がどんな言葉や思い込みとつながっているかを見つけていきます。今回のように「安心=近くにいて何も感じないこと」という無意識の定義に気づけると、自分を責めるループから抜け出せます。感情を正しく読み取ることは、自分の味方になる第一歩なんですよね。

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このエピソードの登場キャラクター

  1. カナと仲間たちのキャラクターイラスト、感情日記に登場.
    マサキ
    カナの家族
    冷静で論理的なカナの夫。優しいが感情表現が苦手
  2. カナと仲間たちのイラスト、感情日記のキャラクターが笑顔で描かれています。.
    カナ
    カナの家族
    共感力が高く、自分を後回しにしがちなワーキングマザー