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会議で頑張った資料が褒められた瞬間、なぜか胸の奥がズンと重くなる。
左手だけ拳になりながら、笑顔で会釈する自分。
あれって、いったい何の感情なんでしょうね。
このシーンを描いていて、私自身も「あ、これ知ってる」って思ったんですよね。
褒められて、嬉しいはずなのに——重い。
そんな夜のお話です。

深夜2時まで何度も直して仕上げた、渾身の資料。
カナはその朝、ちょっとドキドキしながら会議に出ていました。
上司は、その資料を褒めてくれました。
「これ、よくできてるね。ありがとう」
……のに、「ありがとう」は、隣に座る同僚に向けられたんです。
笑顔で会釈しながら、テーブルの下で左手だけが、ぎゅっと拳になっていました。
胸の奥に、小さなズン。
これが「ちいドロ」です。
名前のつけにくい、でも確かに胸の奥に落ちた、小さなドロドロ感情なんですよね。

帰り道、胸のあたりがずっと重い。
家に帰ってお風呂に入っても、その重さは消えてくれません。
日記を開いてみる。
でも、ペンが動かない。
「私、嫉妬してるのかな……」
そう思ってしまうと、余計にしんどくなりました。
「同僚に嫉妬する自分って、ちっちゃい」
「もっと素直に喜べばいいのに」
こんなふうに「嫉妬」のひと言で自分を裁いてしまうと、本当のドロドロが見えなくなってしまうんですよね。
このシーン、描いていて胸が苦しくなりました。

そのとき、カナの頭に、以前EQコーチのワビタンから言われた言葉がよぎりました。
「カナさんね、その時、心の中で『期待値メーター』、勝手に上げていませんでしたか?」
頑張った分だけ、私たちは無意識のうちに「絶対認められる」と、心の針を振り切らせていることがあります。
脳って、頑張ったあとには「ご褒美もらえるよね?」と、先取りで盛り上がってしまう性質があるんですよね。
そして現実がそれに届かないと、ズドンと落ちる。
これが「胸が重い」の正体のひとつなんです。
そしてもうひとつ。
「嫉妬」と思っていたカナの感情を、よく分解してみると——
「焦り」+「自己否定」+「寂しさ」のミックスだったんです。
「同僚への嫉妬」じゃなくて、
「私の頑張り、見ててほしかった」という、もっとあたたかい寂しさ。
これが「言葉の脳ダマ」です。
ざっくり「嫉妬」と呼ぶのではなく、もう一段細かい名前をつけてあげる技術。
脳って意外と単純で、貼られた言葉のとおりに感じてくれるんですよね。
名前が変わると、感情の重さがふっと変わる。これが面白いところなんです。

カナはその夜、手帳を開いて3行だけ書きました。
① 深夜まで資料を仕上げた
② 同僚の質問に丁寧に答えた
③ 最後の片付けを引き受けた
たった3行。
明日の評価は、まだわからない。呼ばれない日だってある。
でも、まずは私が、私の今日を見ていよう。
これが「ちいすぐ」です。
ばかばかしいくらい小さく、でも今夜のうちに。
外向きに振り切れていた期待値メーターを、ゆっくり自分側に戻していく一歩でした。
書き出す、という行為そのものにも、ちゃんと力があります。
前頭前野(考えを整理する脳の部分)が静かに働き始めて、感情の輪郭がはっきりしてくる。
そういう意味では、3行書くことも、立派なちいすぐなんですよね。
褒められたのに胸が重い夜は、「嫉妬」のひと言で片付けないでみる。
「焦り」「自己否定」「寂しさ」——もう一段細かい名前をつけてから、手帳に3行だけ書く。
今日の私を、今日の私で見ていよう。
感情に細かい名前をつけ直すだけで、夜の重さがちょっと変わる。
そして手帳に3行書くだけで、振り切れていたメーターが、ゆっくり自分側に戻ってくる。
完璧じゃなくていい。寝る前に、3行だけ。
そんな小さな習慣が、明日のあなたを少し優しく支えてくれる気がするんです。
このエピソードで、カナは自然に3ステップを回していました。
褒められたのに「ありがとう」が隣に行った瞬間の、胸のズン。
「私、嫉妬してるのかな」「ちっちゃい自分が嫌」という、小さなドロドロ感情です。
ここで大事なのは、解決しようとせず「ある」と認めるだけ。
「こんなことで揺れる私はめんどくさい」なんて思わなくていいんです。誰にでもありますから。
カナが使ったのは「言葉の脳ダマ」。
「嫉妬」というざっくりした名前を、「焦り+自己否定+寂しさ」と細かく分解して呼び直す技術です。
脳って、貼られた言葉のとおりに感じてくれる、ちょっと単純なところがあるんです。
だから感情に細かい名前をつけ直すだけで、重さも、扱い方も変わっていく。
脳と格闘するんじゃなく、優しく味方につける——それが脳ダマの面白さなんですよね。
言葉が切り替わったら、あとは小さく動くだけ。
カナの場合は「手帳に3行だけ書く」という、ばかばかしいくらいささやかな行動でした。
完璧な日記を書かなくていい。1ミリでもいつもと違う行動を、今夜のうちに——それが「ちいすぐ」です。
続けなくていい、今夜1回書いただけで成功なんです。
シックスセカンズが提唱するEQ(感情知性)には、8つのコンピテンシー(感情特性)があります。
今回のカナのお話には、特に3つのコンピテンシーが効いていました。
「嫉妬」のひと言で片付けるのではなく、「これは焦りと自己否定と寂しさのミックスだ」と、感情にちゃんと細かい名前をつけ直せたこと。
名前が変わると、扱い方が変わる。
これが感情リテラシー——自分の感情にちゃんと名前をつける力なんです。
「頑張った分、無意識に期待値メーターを上げてしまう」——これは、カナが繰り返してきたパターンです。
そのパターンに気づけるからこそ、「あ、また振り切れさせてたな」と少し距離を取って見られる。
気づくだけで、振り回され方がずいぶん変わってくるんですよね。
外からの「ありがとう」だけを頼りにすると、心はいつも誰かの言葉次第になってしまう。
今日の自分を、今日の自分の目盛りで見てあげる——3行のメモは、その小さな練習でした。
これが内発的モチベーション、自分の価値観から動く力につながっていくんです。
みなさんも、褒められたはずなのに、なぜか胸が重くなった夜はありませんか?
もしよかったら、コメント欄で聞かせてくださいね。